| ― |
へぇ〜、ちょっと素敵な零戦エピソードですねぇ‥‥。(共感)それにしても、過去のイベントで参考出品されているのを私も2、3度見てますが、ホント待ちに待った発売ですよね? |
|
| 天野: |
そうですね、開発企画が始動したのがもう2年以上も前のことですから、さすがに感慨深いものがあります。そもそもはドイツ機を中心にした「世界の傑作機」の対として、日本機、中でもダントツに知名度がある零戦を商品化したいと考えていました。ただ、知名度があるとは言え、極端な例では「緑の機体に日の丸=全て零戦」と勘違いされていたり、その呼び名だけが一人歩きしていることも多く、実は主だった形式だけでも14種ほどのバリエーションが存在することまでは、よほどの戦闘機ファンでない限り認知されていないので、12試艦戦から二式水戦、零戦六四型に至るまでその全てを網羅した「零戦大百科」的なシリーズ展開を当初は構想していました。そして、ちょうどその頃、お付き合いのある海洋堂さんから「近々戦闘機模型を発売する」と聞いて、それならばと当時すでに準備を進めていたギミック機構試作や多数の造型スケッチを手に、共作の交渉を始めたのが最初のきっかけになります。 |
|
| ― |
なるほど、なるほど。(14機を眺めながら)
今や世界屈指の造型集団と呼ばれる海洋堂とのコラボレーションだから、パッと見すでにただならぬオーラを放っていますが、造型や彩色面など従来とは異なるアプローチもありそうですね? |
|
| 天野: |
はい。海洋堂さんとお話していく中で、お互いが共通意見として抱いていたのは「従来の航空機模型とは違うアプローチがあっても良いんじゃないか」というものでした。これまでは真っ直ぐに定規で線を引いて作ったような工業製品としての航空機模型が、航空機模型のあるべき姿として支持されてきましたが、当時の戦場写真や、博物館などで実際の戦闘機を見てみるとどこか違和感を覚えることもありました。と言うのも、実機をつぶさに観察してみると、ハッチや外板同士の張り合わせは思いのほか段差があるし、繰り返し応力がかかる翼部分では内部フレームに接合されていない外板はベコベコでひずみも生じている。海洋堂宮脇専務の言葉を借りると「定規で引いた直線ではなく、職人がフリーハンドで引いた直線」的なんですね。また塗装もしかりで、塗膜の不均一さをはじめ色褪せや剥がれなど、機体によっては様々な表情が見られるものもあります。 |
|
| ― |
ふむふむ、確かに現代の航空機と違って、戦時に手作業で作られる部分も多かった当時の航空機だと、図面には表れないラフな雰囲気もあったでしょうし、酷使される実用兵器となればなおさらユーズド感もあったんでしょうね。 |
|
| 天野: |
今回具現化したかったのは、まさにそういったプラスαの表現なんですよ。ことさら私たちが言うまでもなく、日本機については銀で塗装のはがれを表現するモデラーの方は多いですし、海外の模型作家の作品を見たり、模型の展示会などで戦車モデラーの方が作った飛行機を見ると、ジオラマの一部としてすごく絵画的に表現されていて、その模型としての存在感にはっとさせられる作品も多く、確かにこういうアプローチもありかな、と。今回の零戦は、海洋堂さんと力をあわせ、航空機模型として、正確さやディテールの再現度は押さえつつも、実物の大戦機のもつ肌ざわりや躍動感といった雰囲気を、絵画的表現で強調し、1/144のミニトイでどこまで表現できるか、という点にチャレンジしました。私自身、同時進行で「世界の傑作機」という商品もすすめていますが、それとはまた違った別の表現の方向性として「こういう航空機模型ってどうですか?」というお客様への問いかけでもあるんです。 |
|
| ― |
う〜む、さすがにリキが入ってますね!(唸)
さらに突っ込んだ話も聞きたいところですが、もう誌面が足りません!!(泣笑)
それでは最後に、ひとことお願いします!!! |
|
| 天野: |
次号では「日本海軍零式艦上戦闘機」の個々の機体のフィニッシュやギミックの秘密などをご紹介します!また、今月2/19の「ワンダーフェスティバル2006冬」にも本作を出品予定ですので、皆さん是非ご来場下さい!!そして、新たなマイクロワールドシリーズも鋭意開発中ですので、引き続きご注目のほどヨロシクお願いします!!! |
|
 |
|
 |
天野幹俊
昭和62年タカラに入社。
入社以来ほぼ男の子向けの玩具の開発に従事する。
2年前から男の大人向け玩具の開発担当となり、
飛行船のラジコン「SKYSHIP」や
オートバイのラジコン「チョロバイRC」を手がける。
戦車以外にも、飛行機、車、プラモデル、セクシーアイドルから
萌え系女の子キャラ等、幅広い趣味を持つ。
かつては、ビーダマンという小学生向け玩具の開発担当者として、
「ドクター多摩野」という名前で毎月コロコロコミックに出ていたという。
現在独身。風呂あがりにそのまま高層マンションのベランダに出て
ビール片手に夜景を眺めるのが、最近のささやかな贅沢である。
1200ccの大型バイクを駆る。仕事が現在の恋人。ネコが好き。 |
 |
 |
 |
 |
|
|
|